(一)この世界ごと愛したい



「みんな困ってるよー?」



二人は本当に疲れていたようで、その場に座り込む。





「…おい、お前等なに寝てやがる。」



座り込んだハルが、辺りの兵たちに声を掛ける。





「す、すみません!」


「すぐに起きます…!」




可哀想に!!!



ハルはなんだってこんなことをやってるんだ!?





「謝る相手は俺じゃねえだろ。」




ハルがそう言ったことで。


この場にいる全員が一斉に私を見る。





…え、何。怖いんですけど。






「姫様。」


「…はい?」



私も良く知る国王軍指揮官が立ち上がる。




「此度の仇討ち。お一人で成し得た事、心から敬服いたします。」


「えー何それー。」


「…我等の無念を背負い、姫様に苦痛を強いた事。改めてお詫び申し上げます。」


「うん?」



強いられた覚えはないけど。


ハルがなんか余計なこと言ったな?






「…ハルに何言われたのか知らないけど。私の指示通り、待っててくれてありがとう。私は一人で戦ってたつもりないよ?」




私が一人だったら、それはそれは無敵だろう。


私が一番強い時は後ろを気にしなくていい時だって知ってる。守るものが側にあると、どうしたって守るために判断が鈍る。



実際、そこをエリクは狙ったんだし。




< 1,064 / 1,300 >

この作品をシェア

pagetop