(一)この世界ごと愛したい
「みんな困ってるよー?」
二人は本当に疲れていたようで、その場に座り込む。
「…おい、お前等なに寝てやがる。」
座り込んだハルが、辺りの兵たちに声を掛ける。
「す、すみません!」
「すぐに起きます…!」
可哀想に!!!
ハルはなんだってこんなことをやってるんだ!?
「謝る相手は俺じゃねえだろ。」
ハルがそう言ったことで。
この場にいる全員が一斉に私を見る。
…え、何。怖いんですけど。
「姫様。」
「…はい?」
私も良く知る国王軍指揮官が立ち上がる。
「此度の仇討ち。お一人で成し得た事、心から敬服いたします。」
「えー何それー。」
「…我等の無念を背負い、姫様に苦痛を強いた事。改めてお詫び申し上げます。」
「うん?」
強いられた覚えはないけど。
ハルがなんか余計なこと言ったな?
「…ハルに何言われたのか知らないけど。私の指示通り、待っててくれてありがとう。私は一人で戦ってたつもりないよ?」
私が一人だったら、それはそれは無敵だろう。
私が一番強い時は後ろを気にしなくていい時だって知ってる。守るものが側にあると、どうしたって守るために判断が鈍る。
実際、そこをエリクは狙ったんだし。