(一)この世界ごと愛したい
だけどね。
そもそも私は守るべきものがなければ、戦うことなんてしないし出来ないし、やりたくもない。
「私を信じてくれてありがとう。」
「姫様…。」
「私はとても姫らしい姫じゃないけど、そう呼んでくれてありがとう。」
「え…?」
私は笑みを浮かべて、それ以上言うのをやめた。
まだ話をつけなきゃいけない人達に、ちゃんと納得してもらえてないからね。
軍のみんなにお別れをきちんと伝えるのは、その後だな。
「さて。立てる人から立って、お家に帰ろうねー。」
みんなご丁寧に頭を下げて。
私にお礼や謝罪を伝えながら痛む身体を引き摺って歩いて行く。
ハルに痛めつけられて可哀想にと、苦く笑うことしかできないけど。
それでも前を向いて歩いて行く。
そんな姿に私も力をもらえる気がする。