(一)この世界ごと愛したい




「リン、どこにいたの?」


「…久々に城に戻ったからちょっとウロウロしてた。遅くなってごめんね、ママ。」




出来るだけ呼吸を整えて。


平然を装って食卓に座る。この場に呼ばれたのは再び家族とるう。



家族との食事の時は、るうは給仕に徹するので一緒には食べられないけども。





「へえ?部屋にいないんで俺も城内探し回ったんだけどなあ?」


「入れ違っただけじゃないー?」




ハルが私の嘘をつつくが、白を切る。




「ふーん?」


「…食べよー。」




ハルは非常に怪しんでいたけども。


私は修行せねばと焦る気持ちもあるので、とても白状できない。諦めてください。





「リンが好きな物たくさん用意したの!たくさん食べてね!」


「ありがとー。」



ママにお礼を伝えて、私は目の前のご馳走に手を伸ばして食べ始める。


みんなそれぞれ楽しく食事を摂る中。





ママが唐突に切り出した。





「ねえ、リン?」


「なにー?」




「レン王子と会えなくなって寂しくない?」


「うぶっ…。」




私はあまりの唐突さに、食べていた物を誤飲。


ゴホゴホとむせ返る私。




「あら大変。大丈夫?」


「だ、大丈夫だけど。なんで急にレンが出てくるの。」


「だってリンの旦那様じゃない。」




こんなことを聞いて、黙っていられるわけがないハル。




「んな結婚は白紙だ!リンは嫁にはやらん!」


「ハル落ち着きなさい。リンだって女の子だもの。いつか素敵な人が現れたら結婚だってするわよ。」


「ダメだ!絶対ダメだ!」


「ハルはどこまでもあの人にそっくりね。けど、レン王子とっても良い人で私は好きだったけど。」




そういえば婚儀の時、ママとレンは何か二人で話してたっけ。



何の話かは知らないけど。





「度を超えて良い人だよねー。」


「そうよね!リンとも気が合うようだったし、リンが悲しい思いをしてないか心配で…。」


「気が合う?私とレンが?」




そうだったかな…?


どちらかというと揉めたことも多かった気もするし。なんか意地の悪いことされた気も…。



と、思い出すと恥ずかしくなる。




「なになにっ?リンどうしたのっ?」



顔が少し赤くなる私に、ママが楽しそうに詰め寄る。




「な、なんでもない!」


「…おいルイ。なんだこれは。どうなってる。レンって奴は俺のリンに一体何をしたんだ。」


「俺に聞くな。」




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