(一)この世界ごと愛したい
食事の後は、また裏山で修行して。
瞳の色を変えるのはまだ早いかなと判断した私は、午前中と大差ない結果で。
それでも火が沈む前に城へ戻り、部屋でるうに買ってもらった本を読みながら何事もなく過ごしていたように振る舞っていた。
ハルとるうがもういつ戻ってもおかしくないからね。
「…この文字はさっき見たな。」
るうに買ってもらった山のような本から、遥か彼方にある国の、言語が違った例の目当ての本を見つけ出し。
私はその解読に明け暮れている。
「難しい!!!」
くそー。
やっぱ簡単じゃないなー。
「リンー。」
「…ハル、おかえり。」
ぐったりしているハルがまた部屋にやって来た。
「あー…、癒される。」
そう言って、本を読み続ける私に抱きつくハルを気にも止めずに私は黙々と本に目を向ける。
「…冷てえな。」
「今ちょっと集中してる。」
「…何の本だ?」
「海外の本。内容は哲学書みたいなんだけど、内容よりも言葉を理解する方に夢中になっちゃって。」
ハルはさっぱり分からないといった感じで、首を傾けているけれど。
私には好奇心を駆り立てられる代物だ。