(一)この世界ごと愛したい
朝ごはんの時間になっても起きてこない私を、アルが迎えにきてくれて。
腕を引っ張って、私を食卓へ無理矢理座らせる。
「リン、しっかりしなさい。」
「んー。」
座ったものの、食欲ない…。
重たい瞼の隙間から見えるのは、ママとアル。
そして、ハルとるう。
「…はぁ。」
「朝から辛気臭えなあ。」
「ちょっと寝不足ー。」
とりあえず、部屋に戻って支度だけ済ませて早く裏山に行こう。
眠いけど。
めちゃくちゃ眠いけど!!!
「…んま。」
今日のコーヒーはるうが淹れたのか。
私の大好きな味と、温度。
「そりゃどーも。」
るうがスッと私の飲み終えたカップを下げる。
「…ご馳走様でしたー。」
私は立ち上がり一旦部屋に戻る。
そしてのそのそと支度を済ませて、その場で大きく伸びをする。
「…雨の気配だ。」
てか、私やばい!!!
ここまで雨雲が近付いてきていることにさえ、今の今まで気づかなかった。
どんだけ余裕ないんだ!?