(一)この世界ごと愛したい
「リン悪い。待たせ…て…。」
ほんの数分で戻ってきたるうが、泣き崩れる私を見て固まる。
「…り、リン?どうした…?」
「……。」
私はもう、るうの顔が分からないほど。
目の前は涙で滲んでいて。
「ルイてめえ待てコラ!!!」
そんなるうを追いかけて来たのか、ハルが大慌てで部屋にやって来た。
そして、泣いている私を発見。
「…ルイ、何した。」
「何も…してない。はずだ。」
「泣いてんじゃねえか。」
「え…俺か?」
ああ。
私は、間違っていたのかもしれない。
私が手を離すんだから、縋っちゃいけないと。寂しいなんて我が儘言っちゃいけないと。
そう考えていたけど。
「リン泣かすなよ。」
「俺じゃねえ。」
「じゃあなんで泣いてんだ。」
そもそもるうは、そんな私を受け止められないほど器量の小さい人ではない。
寧ろ、こんな私を受け止めて。
さらに自由なハルさえも支えながら。
それでも力強く歩くことが出来る人だった。