(一)この世界ごと愛したい
るうにまた、引き留められると決意が揺らいでしまいそうで。
弱い自分を、見せてしまう気がして。
「…るうが正しいね。逃げてごめん。」
「でも今回のことで良く分かった。」
「え?」
「リンが離れていくのは確かに嫌だけど。手の届く距離にいるリンの側にいられないのはもっと嫌だ。」
そんな言葉に、少し笑ってしまう。
「しかも体調まで崩されて。良いことなんて何一つねえじゃねえか。」
「体調は…うん。すみません。」
「挙げ句の果てには泣かれるし。」
「それは別に悪い意味じゃ…ない、けど。」
るうは、じゃあ結局なんだったんだと私に聞く。
「…ったの。」
「何て?」
「嬉しかったのっ!!!」
だから悲しいとかマイナスなことで泣いたんじゃないと。それだけを叫んででも伝えたかった。
るうはビックリしているけど。
「嬉しいって?」
「…だって。」
「だって?」
「〜っ!るうなんか悪い顔してる!」
これは、揶揄われてるな!?
「顔は生まれつきだ。で?」
「…ハルのことが大事なのは、知ってるし。それでもるうが、私のことまで…ちゃんと、想ってくれたから。」