(一)この世界ごと愛したい




だから嬉しかったんだと。


素直に伝えた。






…なのに。





「な、なんで怒ってるの?」


「つまりお前には俺の気持ちは一ミリも伝わってないってことだろ。」


「いや、伝わってる伝わってる。」


「じゃあ何で今更そんなことが泣くほど嬉しいんだよ。」




なんでって、言われても…。





「だってるうが…起こしてくれなくなったし。コーヒーもくれないし。」


「はあ?それはお前が言わねえからだろ?」


「今までだって言ったことないし。」


「だからハルが待てって言ったんだよ。」




雲行きが怪しくなる私とるう。




「ほら、ハルのことばっかりじゃん。私はどうせハルのおまけだもんね。」


「ああ?」


「気持ちは分かるよ。私もハル大好きだし。」




るうは納得がいかないようで。


むすっとしているので、私はまた笑った。






「だから、嬉しかったの。」


「…はぁ。」


「お分かりいただけたかな?」


「…ああ、分かった。」




それはよかったです。







「つまり俺に、毎朝起こしてほしくて、毎朝お前のためだけにコーヒーを用意しろってことだな。」


「うん?」


「何で疑問系なんだよ。」




るうの棘のある言い方もすごく気になったんだけど。




わざとじゃないのは分かっているが。


それよりも、るうが私の手をグイッと引っ張ったせいで、私の左腕が痛いと言っている。





それをどうにか顔に出さないように気を付けた。






「…絶妙に、何か変だな。」


「……。」




相手がるうなだけ、苦しい戦いだ。




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