(一)この世界ごと愛したい
「誰に何を内緒だって?」
廊下に出た私達を、ドアの隙間からジロッと睨むハル。
…終わった。
「リン。」
「……。」
「何だこの傷。」
るうが手を貸したことで、私の左腕の傷はめでたくハルにも晒される。
「……。」
「さっさと話せ。」
黙秘を続けつつ、私は逃げ道を探している。
それか都合のいい言い訳でもいい。
「…ルイ、ジジイ呼んでこい。」
「ああ。」
るうの裏切り者!!!
ジジイを呼びに走り出したるうの背中に心の中で大きく叫びました。
「私熱もあってしんどいんだよねー。」
「ここ最近じゃ一番元気そうな顔してるけどなあ?」
「…何それ。」
「ルイのおかげだなあ?」
白々しいなー。
こうなったのはハルの思惑だろうに。るうに余計なこと言ってくれたお陰で私がどんな思いをしたと思ってるんだ。
「ハルの策に嵌ったみたいで、私はあんまり楽しくないけどね。」
「…で?この傷お前自分で焼いたのか?」
「説明は割愛したいです。」
「ダメだ。」
ああもう、だから嫌だったんだ。