(一)この世界ごと愛したい
ハルに私を任されたるうが、私にそっと近付き治療される様子を観察している。
「…ハルが今、何考えてるか知りたい?」
「は?」
「私を心配そうに見てるつもりだろうけど、顔にハルが心配って書いてるよー?」
「……。」
るうは素直だなー。
でも、るうが心配するのも無理はない。
ハルが私を誰かに“任せる”なんて言ったのは、過去に一度もなかったことだし。
「ハルは別に怒ってるわけでも悲しんでるわけでもないよ。ハルがあんな顔をする時は大体決まってるの。」
「…?」
「きっと今から自分の力を磨くために特訓したいなって思ってる。向上心を隠しきれない顔だよ。」
私の言葉に感化されたのだろう。
私はハルほど強い人を見たことがない。
だってそれは、誰にも負けないほど努力を重ねた人だと知っているから。
「向上心…ね。」
「だから心配しなくても、もう部屋で筋トレでも始めてるんじゃない?」
「確かにハルの原動力はいつだってお前だな。」