(一)この世界ごと愛したい
そう言ってもらえると誇らしい。
「ほれ、これでいいぞ。」
「ジジイ、ちょっと大袈裟すぎる気がするんだけどー。」
「何が大袈裟だ。王妃様にも伝えておくからな。」
「わっ、ごめん!謝るからママには言わないで!」
治療を終えたジジイは、ブツブツ言いながら私の部屋を去り。
再びるうと二人になる。
「そう言えば、旅行って急になんだったの?」
「休暇がもらえるんで。」
「それは分かってるけど、何も私とじゃなくても…。たまには一人でゆっくりしたら?」
「俺は毎朝リンを起こさなきゃいけねえらしいからな。」
いやいや。
それは分かりやすい例として言っただけで…。
「旅行なんて結局私が迷惑かけて終わりそうで、るうの休暇にならないと思うんだよね。」
「…夢だったんだ。」
え、旅行に行くのが!?
るうって旅行好きだっけ!?
「お前を城から出して自由に好きな場所に連れて行って、好きなもん買って、好きなもん食わせて、好きなだけ寝かせてやる。」
「…それが、夢?」
ほとんど…てか全部。
私のことですけど。
「叶わねえと思ってたんだ。」
「…そんなの、やろうと思えばいつでも叶ったと思うけど。」
「陛下が存命だったら無理だった。今だってハルの反対押し切って行かなきゃならねえからな。」
るうの夢…か。
いや、いいんだよ。夢は自由だし。
だけど私のことばっかりすぎて、るうの夢叶えるぞって勢いに乗れない…。
「旅行…。」
ただ、私の本音を言ってもいいのなら。
正直今すぐこの足で出発したいくらい行きたい!!!