(一)この世界ごと愛したい
エリクは意味が分からないほど満足気に、軽やかな足取りで王宮内へ消えて行った。
「…リン。」
「大丈夫。足痛い。」
「どっちだよ…って。お前その足。」
「…足痛い。」
良い子は窓から飛び降りてはいけません。
見事に私は足を負傷しました。
腫れ上がった足を見て、るうとレンが心配そうに顔を歪めている。
「とりあえず、医務室で何かもらってくるから部屋に戻ってて。」
「ありがとうございます。」
レンは医務室へ治療するものを取りに行く。
「…るう。」
「…分かってる。あの戦だけは忘れねえよ。」
二年前、アレンデールとセザールの戦。
大将を務めたのは、私とエリク。
あの戦の日以来。
ハルは目を覚ましていない。