(一)この世界ごと愛したい
なんだかよく寝て、頭もかなりクリアになってる気がする。
目を向けられなかったことにも、ようやく目を向けられそうだ。
「今日はセザールから使者が来る日だったね。」
「聞いてねえ。」
「来る日なんですよー。ボコボコにして追い返したいところなんだけど、ちょっと気が変わった。」
るうは頭に疑問符を浮かべているが、私も考えをまだ纏めきれていないので一旦無視しよう。
書庫に篭ってしばらくゆっくり考えたいので、本日の王代理業務はすべてるうに任せることにした。
ブーブーと文句は言いながらも、執務室へ向かうるうの背中に心からありがとうと伝えたい。
「さて…。」
セザールの使者は誰だか知らないけど、きっとそれなりの地位の人物だろう。
戦場で戦いの経験しかない私は、政のことなどよく知らないけど、兎にも角にもまずはここでしっかり策を練ろう。
国を跨いで、偉大なる父の仇を討つために。
私は復讐という名の戦に出る覚悟だ。
パパを殺し、民を殺し、ママとアルを傷付けた。その報いは必ず受けさせる。