(一)この世界ごと愛したい
一体なんだったのか。
「姫様、応接間へお願いします。」
「あ、うん。今行くね!」
私は戦いにしか興味のない馬鹿。
私は戦いにしか興味のない馬鹿。
私は戦いにしか興味のない馬鹿だ!!!
自分に暗示をかけて、使者の待つ応接間へ向かった。
「初めまして。リン・アレンデールと申します。」
「っ…。」
「あ、あの…?」
「はっ…!失礼しました!あまりの美しさに言葉を失ってしまいました。私はセザールにて外交を主に担当しております。どうぞよろしくお願いいたします。」
お互いな挨拶を交わす。
なんか、意外と普通そうな人だな。
「それにしても…お噂は予々。戦神アテナの化身と呼び声高い姫様に謁見できるとは、私も胸を張って帰国できます。」
外交官は、国と国との交流のために様々な国へと派遣される他国交流に長けた人物。
あくまでも交流するのは自国のためであり、他国で得た情報を有益に利用することが目的であることが多い。
「私は…信仰心はないのであまり分からないですが。セザール王はとても信仰心が強いのだと聞きました。」
「ええ、我が主である王は神の力に強く惹かれる部分が多くて…。あ、それでは簡単に此度の和睦条約についてお話しましょうか。」
「えっ…と。私は幼少から戦についてしか学んでこなかったので難しいお話は分かりません。この件については別の者を呼びますね。」
「なんとなんと、これまた凛々しいお方だ!もちろんでございますよ。女性には重たい話も多いですし、姫様の選任するお方とお話するようにいたしましょう。」
よーし。
そのまませいぜい侮ってくれ。
馬鹿だと思い込んでくれ。