(一)この世界ごと愛したい
何を言ってるんだこの男は。
私はただ普通にしてただけで!絶対に悪いことなんかしてない!!!
…ま、もういっか。
「ところで、るう。」
「ん?」
「今後のことを話しておきたいんだけども。」
「…ああ。」
不満そうな顔に、少しむかついたが。
ここで争ってもなんのメリットもないのでスルーだ。もう私は気にしない。
「私は戦にしか興味のない馬鹿という設定でいこうと思う。」
「設定もなにもその通りだろ。」
ゴツンとるうの頭を殴っておいた。
このままじゃ進む話も進まない。
「セザールの使者が来た時に、一応それっぽく振舞っといた。名付けて、能ある鷹は爪を隠す作戦です。」
「……。」
「さらにセザールのこと色々調べたんだけど、今回の戦でかなり無茶したんだろうね。国の人員ほとんど費やしたせいで、逆に隣国から攻め入れられて領土も少し侵攻されてる。」
「当たり前だ。あんな大軍動かして無傷でいられるわけがねえ。」
そう。
今回アレンデールが力で屈したのにはちゃんと理由がある。
セザール王は、あろうことか国のほとんどの軍事力を上げてアレンデールを獲りにきた。
「だからしばらくセザールは、失った領土を取り返すためにそっちに集中せざるを得ない。」
「だろうな。」
「さらに奥まで動きを読むなら、セザールはその戦に私を使うことも考えると思う。」
「…あ?」
憶測の域を出ないが、そうなる可能性は大いにあり得る。
なんせ国の横腹を食い潰されながら得た、私という戦神の力を手に入れてしまったんだから。
その力をここで使わない手はない。