(一)この世界ごと愛したい
正直、わざと負けまくって全領土差し出すことは簡単だが。そうなると私だけではなく、るうの命が危うくなる可能性がある。
なのでここは適当に働いて、出来るだけ暗殺に近い形で王の首を狙う機会を伺いたい。
その一歩となる作戦なんだ。
とにかく戦馬鹿という認識を植え付け、油断を誘いたい。
「…ここまでオッケー?」
「ああ。」
「上手くいく確率は五分。あとは運と私の器量次第みたいなところだねー。」
「けど、第三王子がどこまで自由に動かせてくれるか…だな。」
そうなんだよねー。
優しい人だって聞いたけど、実際どんな感じの人か分からない以上、必要に応じて作戦変更も考えないといけなくなるかもしれない。
「戦の経験はないって聞いたから、文官志望なのかもしれないけど。そうなると頭固そうでめんどくさいなー。」
「文官?」
「使者の人に探りを入れてみたんだけど、優しいけど特異な王子だって言ってた。」
「特異ねえ。」