彼の溺愛の波に乗せられて
ーーーー

「ごめんて。本当に」

天寿は笑いながらムスッとする私に謝ってくる。

あの後お腹が空いて意識を取り戻した私は今、天寿の店であるAzzurroに連れて来られた。

「ちゃんと言ったのに!」

「雅が可愛すぎて、ごめんて」

「加減してよ! こっちは初心者よ?」

「ははっ。大丈夫、お前最高だから」

なんて頬杖をついて妖艶に微笑む。

そんな話をヒソヒソしてればパスタが運ばれてきた。

今日はこないだ天寿が食べていたやつにした。

「クク。ほら食べな」

「いただきます!」

完全に餌付けされてる。

「今日、日中海行く?」

「無理。脚ガクガクだから」

そう言えば天寿は自分の目元を手で隠した。

「なぁに?」

「…なんでもない」

そう言ってパスタを食べ始める天寿。
なんだ?

「可愛すぎるわ。やっぱり黙ってらんない」

んぐっ。
ゴクンとパスタを飲み込んだ。

「我慢して」

「無理。諦めろ」

お互い譲らない。
< 166 / 301 >

この作品をシェア

pagetop