彼の溺愛の波に乗せられて
「本当は毎日でも会いたくて、雅のいないベッドで眠るのも嫌だった」

「え…?」

雅は俺を見上げる。

「俺、寂しがりやだったらしい。初めて知ったよ」

本当にそうだ。
こんなの今までの女には思った事もなかった。

「ベッドだけじゃない。ソファに座ってても、キッチンに立ってても、シャワーを浴びてても…。どこにいても雅の面影を探してた」

情けねぇ。
カッコわりぃ。

口にしたら尚更だわ。

これはなかなか恥ずかしいな。

「天寿…」

「雅」

お互いの白い息が唇に伝わるほどの距離で見つめ合う。

夏にここで同じようにこうして見つめ合った時のように。

そして雅の向きを変えて俺の上に乗せた。

「俺んちで一緒に暮らさない?」

すると雅はそれは驚いた顔をする。
なんなら俺は結婚しちゃいたいけどな。

「いやだ?」

コツンとオデコをくっつける。

「面倒くさくならない?」

雅は大きくて可愛らしい目を少し心配そうに揺らしながら見上げてきた。

可愛すぎる。
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