彼の溺愛の波に乗せられて
雅は内側からドアを開けようとガチャガチャするも開かない。

それもそのはずだ。
俺はこんな事もあろうかと内側から開かないようにロックをかけた。

これは暴れる猫を捕獲する為に致し方ない策だ。

俺は運転席に回って乗り込む。

「何しにきたの!」

怒ってる。

俺は黙って車を出し、雅と出会った海へと向かう。

雅はまだ俺を睨んでいる。

背中の毛を逆立てて。
耳を後ろに倒して。

迂闊に手を出せば今にも猫パンチが飛んできそうだ。

思わず笑ってしまう。

「何笑ってんのよ!」

こりゃ相当何か誤解があったな。

「大丈夫だから。落ち着け」

「はぁ? 人がどれだけの覚悟で…」

そこまで言うと口を閉ざした雅。

俺はそっと雅の頭を撫でる。

雅は撫でさせてくれた。
これが答えだ。

お前は俺から離れられない。
俺がそうなように。






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