彼の溺愛の波に乗せられて
〜雅side〜


仕事が終わって、トボトボと重い足を動かしながら歩く。
出てきちゃったけど、今更実家に帰る気にもなれない。

とりあえず愛莉の所にでも行こうか…

「雅」

そんな事を思っていれば、バレンタインで向こうの恋人と過ごしているはずの天寿が私の車の横から現れて名前を呼んだ。

そして笑顔で手を広げる。
おいでと言うように。

私は驚いて踵を返し反対方向へ走り出した。

は?

なんで?

意味わかんない!

「雅っ!」

すると私の逃亡も虚しく追いついた天寿の肩に担がれてしまった。

「離して!」

足も手も使ってバタバタするもガッチリ押さえられて私は天寿の車に乗せられてしまう。

早いのよ!

今更なんのよう!?
これ以上私を振り回さないでよ!

ガチャガチャとドアを開けるも開かない。
開かないよ!

ロックかけやがった!

ギッと窓の外にいる天寿を睨めばフッと笑ってしてやったりな顔をされる。

なんなの本当に!
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