彼の溺愛の波に乗せられて
「プロポーズしに…」

行ったんでしょ?

「ああ」

あ…ほら。やっぱりそうじゃん。
ちくしょう!

直接聞くとダメージがでかい。

私はもうこれ以上ここにいたら泣いてしまう。

またドアを開けようとガチャガチャするも開かない。

「嫌だ! 帰る! 送ってってよ!」

「雅、落ち着けって。はい。深呼吸して」

そう言って天寿は私の肩に手を乗せる。

天寿の手から伝わる温もりが、こんな状況にも関わらずやっぱり心地よく感じてしまうなんて。

さっきも頭を撫でられた。

どうしてそんなに優しい声で話しかけるの?

私はジッと天寿を見る。

「雅。たぶん全部勘違い。俺には雅しかいない。俺は雅にプロポーズしたくて帰ってきた」

「…え?」

私に?

い、意味がわからない。
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