彼の溺愛の波に乗せられて
私は驚きと感動のあまり言葉が出ない。

もちろん答えはイエスなのに。

返事をしたくて必死に言葉を探すも嬉しさと戸惑いといろいろごちゃ混ぜになって、私はついに泣き出してしまう。

それでもなんとか泣きながら頷いて見せると天寿はクスッと笑って私の手を取り、左の薬指に指輪をはめた。

「よ…よろしくっ…お願いしますっ…」

なんとか泣きながらも返事をするとバラの花束ごと抱き寄せられる。

そして少しだけ抱きしめる力が緩まり見上げれば目が合い、引き寄せられるようにバラの香りに包まれながらキスをした。

「天寿、私またちゃんと…」

そう言うと天寿に口を指で押さえられ蓋をされる。

初めての夜を過ごしたあの時と同じように。
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