彼の溺愛の波に乗せられて
彼はさっぱり笑わなかったけど、最後の最後に一瞬だけ口角を片方だけ上げたのを私は見た。

車を走らせながら彼の顔を思い出す。

近くで見た彼は、遠目で見るよりはるかにカッコよかった。
なんだあのイケメン。

しかも、初対面からヘラヘラ笑って近づいて来るような人は苦手のくせに、あれだけ笑わない人を見ると逆に笑わせてみたくなるよね。

なんたる矛盾。

また次に会ったらきちんとお礼を言おう。

そう思ったのに、あれ以来彼はぱたりとこのスポットに来なくなった。

おーい。
どゆことやねん。

スポット変えたのか?
まぁ、あれだけ上手かったらね。
それならそれで仕方あるまい。

そしていよいよ本格的にシーズンに入って、貸切り状態のここのスポットで私はビキニで波に乗る。

気持ちー! さいこー! 楽しー!
< 27 / 301 >

この作品をシェア

pagetop