彼の溺愛の波に乗せられて
「え?」

「さっきそいつの事思い出して笑ったろ」

私はギクっと肩をすぼめてしまった。

「こわっ!」

「クククク。だてにお前と友達してなかったからな」

お手上げだ。

「いや、気になってるっていうか…。わかんないの。私、誰かをちゃんと…」

「好きになった事ないってだろ?」

お見通しか。
私は観念して頷いた。

「どんな人?」

「どんな人…」

そして天寿を思い浮かべる。

「イケメンのサーファー?」

「おい。それ大丈夫なやつか?」

「たぶん?」

「はは。何で疑問系なんだよ」

「わかんないんだって!」

「ドキドキする?」

そう言われて思い返せばいつだってなんだかドキドキしている自分がいる事に気づいた。

「…するかも」

私は体育座りをしてモジモジしてしまう。

「いつも頭に浮かぶ?」

最近いつも考えてる。

「…浮かぶ」

ついに顔を膝につけた。
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