彼の溺愛の波に乗せられて
食べ終わって車に戻る途中、並んだ肩がぶつかって手が触れる。

繋ぎたいって思った。
急にびっくりするよね。

私もびっくりだもん。
こんな風に思うなんて。

でもそんな私をよそに天寿はさりげなくその手をポケットに入れてしまった。

なんだ。
ざーんねん。

「雅、明日の朝は海いく?」

「明日は行かないかな。天寿は?」

「俺はほぼ毎日行く事にしてる」

「さすがだわ」

するとフッと天寿は笑う。
私の前でも笑うようになった。
それが嬉しい。

天寿の笑った顔好きだ。

あと、私を海でガシガシ撫でた時の大きな手。
すっぽり頭を包まれて、なんかよかった。

また撫でてくんないかな。

欲張りすぎか?

こんな自分がちょっとだけ面白い。
あれだけ女子扱いされたくないと思ってたのに。

今は、天寿になら甘えたいし甘やかして欲しいなんて思ってしまうんだから。

これが恋の病ってやつなのかもしれない。
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