メールチェッカー 【2】
操作を始めてすぐに、貴美香はため息をついた。
「あーあ、そういうことか」
眉を落とし、がっくりと肩を落とす姿に、徳田はただ戸惑うばかりだ。
一体、何がどうなっているんだ――。
貴美香が徳田の方に携帯を向けた。
画面に並ぶのは、様々なアルファベットの羅列だ。
これが拒否登録画面よ、と言って貴美香は説明を始めた。
「この.com、ってのはこれが付くアドレスを全部拒否しますってことね。
まあ、パソコンから来るメールとのやりとりがなければ特に問題ないわ。
で、その二つ下のアドレス見て」
貴美香は、ポケットの中から自分の携帯を取り出し操作すると、それを徳田の携帯と並べて見せた。
「ほら。これがあたしのアドレスね。
あんたの拒否リストに載ってるアドレスと同じでしょう」
「と、いうことは……?」
「そういうことよ」
大きなため息を一つ、夜空に向かって吐き出した。