メールチェッカー 【2】
顔立ちは貴美香の方が断然かわいい。
だが、小春には貴美香にはない奥ゆかしさがあった。
貴美香とは違い、大声で喋ったりしないし、言葉にこそあまり出さないが、自分のことを一途に見つめてくれているのがわかる。
小さな身長もまた、守ってやりたいと思わせる要素だった。
「なあ、俺あの子とつき合いたいんだけど」
小春を紹介するよう頼んでも、貴美香は最初、なかなかいい返事をしなかった。
「あんたに小春はもったいないわよ」
貴美香も長い間、恋人がいない。
自分だけうまく行くのが腹立たしんだろうな、と徳田は思った。
だが、そんなことくらいで諦めるような柔な気持ちではない。
一番近い存在である女性が貴美香だったからこそ、小春は余計にかわいらしく愛おしい女性に感じた。
絶対にあの子を彼女にしたいんだ――。
そんな徳田の強い熱意に最後は貴美香の方が根負けし、仲を取り持つことになる。
ようやく小春との交際に漕ぎつけたのはそれから半月後のことだ。