メールチェッカー 【2】
三ヶ月ほど経過した今も、小春に対する熱い気持ちは揺るぎない。
だからこそ、こんなつまらないことで嫌われたくないというのが、相談できない最大の理由だった。
しかし、寝不足がこうも続いては普段の生活にも支障をきたす。
せっかくの小春とのデートも、コンディションが悪い状態ではもったいない。
――何も、アダルトサイトを開いてパソコンがおかしくなったという相談ではない。
あくまで迷惑メールの対処法なのだ。
堂々としていれば大丈夫だろう……。
意を決した徳田は、小春に自分の携帯を差し出して言った。
「なあ、ちょっと教えて欲しいんだけど」
小春は、いつものように静かに徳田を見つめた。
「……最近、急に迷惑メールが大量に送られてくるようになってさ。
時間も構わずだから、夜中に来たメールで起こされて……寝不足で困ってるんだよね。
俺、あんまり詳しくないから、どうしたらいいのか対処法知らなくて。
小春なら何か知ってるんじゃないかなって思ってさ」
緊張しているのを隠すように、徳田はタバコに火を付けた。
よし、うまく言えたぞ。
後は何を聞かれても知らぬ顔で通せばいい――。