メールチェッカー 【2】
「はい。これでしばらくは大丈夫だと思うけど。
でも完全には無理だから、また大量に増えたら教えて」
「おっ、助かるー。本当にありがとな!」
やっとあのメール地獄から開放されるという安堵感と、愛らしく小首を傾げる小春の笑顔に、徳田は思わず顔がほころんだ。
一日十通前後来ていた迷惑メールも、一日一通来るか来ないかまで治まった。
快適な睡眠を取り戻した徳田はすっかりご機嫌だ。
すごいなあ。一体何をしたんだろう……。
徳田はただ、感心するばかりだ。
小春との距離もあの一件でぐっと縮まった気がする。
長く一緒にいたいのなら、自分の色々な部分をさらけ出せる相手でなくてはいけない。
その点、自分は小春に対して一つの壁を乗り越えたのではないかと思う。
それを思えば、眠れなかったあの日々もいい思い出だ。
いや、逆に感謝すらしないといけないのかもしれない――。