吾輩は幽霊である。
 夜になるとこれまた墓場は賑やかになるんじゃ。 あっちに行こうか、こっちに行こうかってな。
どっちでもいいやないか。 行けばいいじゃないか。
 しかしまあ、仲には行き先を決められないままに朝を迎える可哀そうなやつも居るんじゃよ。
そいつの隣で吾輩も一緒に泣くんじゃ。
 そしたらな、提灯がブラブラと飛んできた。 おっかねえわ。
何処から飛んでくるのかは知らんのだが夜明けが近付いてくると飛んでくるんじゃのう。
しかも吾輩が寝不足の日に限ってでっかいのが飛んでくるんじゃ。 危ないじゃないか。
 近くに鬼太郎でも住んでおるのかな? そのうちにチャンチャン子が飛んでくるんじゃないかいな?
あのチャンチャン子は大したもんじゃでのう。 吾輩も欲しいわ。
 カー カー、カラスが飛んでいる。 この辺には食べれそうな物は無いぜよ。
でもまあ見たまえよ。 どうだろう この墓場の荒れ具合は、、、。
 これじゃあご先祖さんも浮かばれんでのう。 困ったもんよ。
 生きとる連中は今さえ良ければいいと思い上がっておる。 わしらのことは何も考えとらん。
 そもそも供養とか回向とかいうことさえ分からんようになっておる。 嘆かわしい限りじゃよ。
そのくせに何でもやりたい放題、使いたい放題にして捨てればいいと思っておる。 それでいいんか?
 お前らだって数十年後には幽霊になっておるのだぞ。 それでもかまわんのか?
まあ、お前らはまずもって平和に極楽に行けるとは思わんけどなあ。 せいぜい地獄巡りを思う存分に楽しむがいい。
 地獄はお前らが来るのを楽しみに待っておるぞよ。 フフフ、、、。
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