一途な海上自衛官は時を超えた最愛で初恋妻を離さない~100年越しの再愛~【自衛官シリーズ】
 その中のたまたま目についた写真に芽衣は「あ」と声を出した。魚介類の料理の写真だった。

 レストランかと思ったが、どうやらそうではなく、海をテーマにしたテーマパークのようだった。

『シーワールド』というその場所は、小さな島全体がテーマパークになっていて遊園地や水族館など家族づれや恋人同士が楽しめる施設が隣接しているようだった。水槽の中の魚に芽衣は目を輝かせた。

「わ、鰯。水族館にこんなにたくさんいるんだ! これ本当に水槽?」

「大群で泳ぐ様子を再現しているって書いてあるな」

 彼の言う通り大きな水槽の中で、たくさんの鰯が勢いよく泳いでいる。その様子に、芽衣の胸は弾んだ。

「ピカピカして綺麗……。新鮮で美味しそう。タコもいる。あ、マンボウも! マンボウって食べられるんですよ」

「聞いたことはあるな。うまいの?」

「美味しいですよ。でも私も一度しか……偶然網に引っかかった時にだけ食べられるご馳走ですから。でもここに行けばいつでも……」

 言いながらなにげなく彼を見ると、なぜか彼は笑いを堪えている。

 芽衣が首を傾げると、向こうを向いてくっくっと肩を揺らして笑い出した。

「芽衣、ここは水族館だから。このマンボウは食べれないよ。魚市場じゃないんだから……!」

 その言葉に、芽衣はようやく自分がズレたことを言ってしまったと気がついた。展示物である魚を調理する前提で見てしまっている。

「そうでした……つい」

 恥ずかしくて頬を染める。初デートにどこへ行くかの相談をしているのに、こんな時まで料理の話をするのかと呆れられてしまってもおかしくはない。

 お互いにお互いを知ることで、幻滅されないかと彼は心配したけれど、むしろそうなるのは自分の方なのかも……。

 そんなことを思う芽衣の頭に、晃輝の手が乗った。

「もう、君は……! どうしてこんなに可愛いんだ」

 優しく髪を撫でる大きな手の感触と、自分を見つめるこれ以上ないくらいの優しい眼差し、そして『可愛い』という言葉に、芽衣の胸が飛び跳ねた。

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