一途な海上自衛官は時を超えた最愛で初恋妻を離さない~100年越しの再愛~【自衛官シリーズ】
一度頭に入ったことは忘れないというのは驚きだが、彼は海上自衛隊の飛び抜けて厳しい教育課程をトップの成績で終えたのだ。そういうことがあってもおかしくはない。
一方で、芽衣には彼の今の困惑がわかるような気がした。芽衣も彼女の存在を知った時、不思議な感覚に襲われた。
彼女のことをまるではじめから知っていたような……。
「そのみおさんって方。店のお客さんとして来ていた海軍の将校さんと婚約していたそうなんです」
「海軍将校と?」
「はい、大谷武志さんっていう方だそうです」
晃輝が再び怪訝な表情になる。海軍と海上自衛隊は別の組織ではあるが、似ている。うみかぜで働いていた女性が海軍将校と婚約していたという話が今の自分たちと似ているということに気がついたようだ。
「その将校は……」
「マスターの話によると、任務で海に出たまま戻らなかったそうです。海上でもことだからご遺体は戻らなくて、みおさんはその方を待ち続けていたって話でした」
その内容に、晃輝がますます険しい表情になった。
「親父、そんな話を芽衣にしたのか」
「私がお聞きしたんです。写真を見て私、なんだかみおさんを他人とは思えなくて、それで手記を借りて読んだんです」
あの時のまるで昔の自分に励まされているような、懐かしい感覚が蘇る。まるで母からの手紙を読んだような、いやかつての自分からの手紙を読んだような感覚だ。
「みおさん、婚約者の武志さんは必ず帰って来てくれるって信じていたおられたみたいです。うみかぜで彼を待っていたんだなと思うと、なんだか私、すごく励まされたんです」
その話を晃輝はどこか納得いかない様子で聞いている。当然と言えば当然だ。大谷武志は帰ることができなかった。ふたりは悲劇的な結末を迎えたということなのだから。
けれど、あの手記ではそのことには一切触れられていなかった。ただふたりが育んだ柔らかくて暖かい愛がそこにあるように芽衣には感じられたのだ。みおは武志の帰りを幸せな気持ちで待ち続けた。
芽衣にはまだふたりの物語は終わっていないように思えたのだ。
一方で、芽衣には彼の今の困惑がわかるような気がした。芽衣も彼女の存在を知った時、不思議な感覚に襲われた。
彼女のことをまるではじめから知っていたような……。
「そのみおさんって方。店のお客さんとして来ていた海軍の将校さんと婚約していたそうなんです」
「海軍将校と?」
「はい、大谷武志さんっていう方だそうです」
晃輝が再び怪訝な表情になる。海軍と海上自衛隊は別の組織ではあるが、似ている。うみかぜで働いていた女性が海軍将校と婚約していたという話が今の自分たちと似ているということに気がついたようだ。
「その将校は……」
「マスターの話によると、任務で海に出たまま戻らなかったそうです。海上でもことだからご遺体は戻らなくて、みおさんはその方を待ち続けていたって話でした」
その内容に、晃輝がますます険しい表情になった。
「親父、そんな話を芽衣にしたのか」
「私がお聞きしたんです。写真を見て私、なんだかみおさんを他人とは思えなくて、それで手記を借りて読んだんです」
あの時のまるで昔の自分に励まされているような、懐かしい感覚が蘇る。まるで母からの手紙を読んだような、いやかつての自分からの手紙を読んだような感覚だ。
「みおさん、婚約者の武志さんは必ず帰って来てくれるって信じていたおられたみたいです。うみかぜで彼を待っていたんだなと思うと、なんだか私、すごく励まされたんです」
その話を晃輝はどこか納得いかない様子で聞いている。当然と言えば当然だ。大谷武志は帰ることができなかった。ふたりは悲劇的な結末を迎えたということなのだから。
けれど、あの手記ではそのことには一切触れられていなかった。ただふたりが育んだ柔らかくて暖かい愛がそこにあるように芽衣には感じられたのだ。みおは武志の帰りを幸せな気持ちで待ち続けた。
芽衣にはまだふたりの物語は終わっていないように思えたのだ。