一途な海上自衛官は時を超えた最愛で初恋妻を離さない~100年越しの再愛~【自衛官シリーズ】
「私には、みおさんがすごく強い方のように思えました。武志さんを深く愛しておられたんだなって思ったら、私がうみかぜで晃輝さんを待つ人生もきっと幸せなんだった確信したっていうか……。その手記を晃輝さんに見てもらいたくて」

 うまく説明できないのを少しもどかしく思った。

 それによく考えたら、自分が感動したからといって、彼にまで手記を見せる必要はないような。けれどどうしても彼にこの話をして手記を見てもらいたい、そうしなくてはならないという強いなにかに突き動かされている。

 変なことを言っていると思われるかなと少し心配になったが、彼にそんな様子はなくすぐに頷いた。

「俺もその手記を読んでみたい。……いや、どうしてかはわからないが、読むべきだという気がするな。じゃあ明日は、芽衣の部屋へ行こうか。今日はこのまま泊まるだろう? さっき部屋着を買ってきた時に泊まるのに必要そうなものは調達しておいたけど、足りないなら追加で買いに行くよ」

 話が決まったことにホッとしたと同時に思いがけないことを提案されて、芽衣の頬が熱くなった。

「泊まり⁉︎ えーっと……」

 戸惑いながら口ごもる。

 もちろん芽衣もこのまま彼とずっと一緒にいたい。けれど唐突に訪れた、彼氏とのお泊まりという状況に、どうすればいいのかわからなかった。

 こんなことならば、初デートの服装の相談に乗ってもらった友達にこういう時はどうすればいいか聞いておけばよかった。

 芽衣がそんなことを考えていると、晃輝がにっこりと微笑んだ。

「もちろん芽衣の気持ちが優先だ。帰りたいなら家まで送る。ただ、俺は今日はずっと君と一緒にいたい。一瞬も離れたくないんだ」

『一瞬も離れたくない』と言われて、断れるわけがなかった。芽衣だって同じ気持ちなのだから。

「私も晃輝さんと一緒にいたいです」

「決まりだな」

 満足そうに彼は笑って、テーブルに向かって手を合わせた。

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