地雷カプブルー
6年まえに体験した恐怖がよみがえり、二度とあんな地獄は味わいたくないと目をつぶった現在の俺は、部室棟前に置かれたベンチに浅く座りなおす。
唇を噛みしめ、声を鋭く尖らせた。
「いつだって輝星は俺を優先した! 自分の命より俺の笑顔を大事にした! あの時だって、まさか火の中に飛び込んでいくなんて!」
輝星はベンチに座りうつむいたままだ。
地面に転がった石を足の裏で転がしながら
「だって僕が作ってプレゼントした金メダルが燃えちゃうって……絶望した顔で霞くんが立ち尽くしていたから……喜んでほしくて……」
ふてくされたように唇を尖らせている。
ねぇ、なんでわかってくれないの?
「輝星がくれた金メダルは、間違いなく俺の宝物だった!」
テニスの試合で結果が残せない俺ののために、粘土と金色の折り紙で一生懸命作ってくれたもの。
死ぬまで大事にする自信すらあった。
「でも、輝星の命の方が俺にとって大事だったんだよ!」