地雷カプブルー

 また俺のわめき声で輝星を責めてしまった。

 輝星は納得できないらしい。

 勢いで腰を上げた俺の前に、物申したい顔の輝星が立ったかと思うと、ほっぺに空気を詰め込み

 「僕だってあの時、信じられなかったよ。なんで僕を追いかけて火の中に飛び込んできたの? アパートの外の安全な場所で待ってて欲しかったんだよ!」

 と、責めるように人差し指を俺に突き刺してきて。


 もちろん俺も黙っていない。

 さらに声を荒らげる。


 「輝星が煙を吸い込んで倒れたらどうしようとか、炎に包まれて焼かれたらどうしようとか、最悪なことを考えるに決まってるでしょ! 俺に安全な場所で待っててほしかった? 無理だよ! いてもたってもいられなかったんだよ! でも……」


 高ぶる感情を輝星にぶつけた俺は、あの時の後悔にさいなまれ肩を落とした。

 こわばっていた上半身の力が抜け、脱力しながら溜息を吐く。


 確かに俺の行動は軽率だった。

 輝星を助けなきゃと、必死に輝星を追いかけて火の中に飛び込んだのに……


 「俺のせいで、輝星の腕に二度と消えないヤケドの跡を刻みつけてしまった……」


 どれだけ懺悔してもしきれない。

 火事の前にタイムスリップできたらと、何度願ったことだろう。
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