地雷カプブルー
「俺たちが推しカプってどういう意味?」と、輝星を見る。
「霞くんと奏多くんは本当にお似合いで、尊いカプだなって、僕が勝手に崇めているんだ」
やけに輝星の笑顔が濃くて、楽しそうで、俺の胸がギスギスと痛みだした。
なんだそれは。
輝星は俺と奏多がくっついて欲しいと思っているんだろうか。
それが本心なら、今俺はふいうちで振られたことになるのだが。
「だって二人ともカッコ良すぎなんだもん。去年の文化祭のミスターコンテストだって、3連覇がかかったイケメンの先輩を優に超える得票数で霞くんが1位、奏多くんが2位だったでしょ。二人がテニスの練習をしてる時の見学女子の数すごいしね」
瞳が見えなくなるくらい輝星が微笑んでいるが、俺のハートは凍りつくばかり。
「もしかして輝星は、俺たちが付き合ってるって思ってる?」
「くっつくのは秒読み段階かなって……奏多くんが今度霞くんの家に行きたいって言ったら、いいよって答えてたし。それっておうちデートみたいなものでしょ。二人きりになれる場所でどっちかが告白するのかなって」
やめて、変な勘違いしないで。
「俺たちはそういう関係じゃない。ただのテニスのペアで……」
「小5の時、霞くんがテニスのコーチに言ったことを覚えてない? 俺は輝星以外とペアを組む気はないって。ものすごい剣幕で」