戸籍ごと売られた無能令嬢ですが、子供になった冷徹魔導師の契約妻になりました
「どうして今まで気がつかなかったんだ! 俺は馬鹿か。シルファ、是非頼む。うまくいけば、研究効率がグンと上がるぞ」


 ワクワクと期待に満ちた目で新型ランプをシルファに手渡すルーカス。

 果たして彼の期待に応えられるのかと、一抹の不安がよぎるが、シルファは深呼吸をして両手を新型ランプに添えた。


(きっと大丈夫。メンテナンスと要領は同じだもの。溢れた魔力だけを吸い取るイメージで)


 ゆっくりと目を閉じると、回路に収まりきらなかった魔力が揺蕩っているのを感じた。

 行き場もなく漂っている魔力を導くよう吸い上げていく。あとはいつものように体内で練り上げた魔力と混ぜ合わせて中和させればいい。

 両手のひらを上に向けると、無事に中和された魔力が光の粒子となって消えた。


「で、できました……?」


 恐る恐る目を開いてルーカスに新型ランプを返す。ルーカスは鋭い眼光で新型ランプを上から下から観察している。


(うまくいったと思うけど……制作途中の魔導具に触れるのは初めてだし、勝手が違うのかもしれないわ)


 王国一の魔導師を前に、出過ぎた真似をしてしまったかと肩を縮ませていると、ルーカスが勢いよくシルファに抱きついてきた。


「すごい! すごいぞシルファ! 君は女神だ!」

「ひゃあっ!? ル、ルルル、ルーカス様っ!?」


 シルファは椅子に座ったままだったので、子供の姿をしたルーカスとちょうど目線の高さが同じぐらいになっている。

 そんなルーカスが抱きついてきたので、顔の真横にルーカスの顔がくることになり、カッとシルファの頬が熱を持つ。





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