眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛
ローラの発言に、会場内が一斉にざわつく。
「目覚めた時、私は百年も眠り続けていたことを知って絶望しました。私の大切な家族、友人、知っている景色、何もかもがもう無い。私はただ一人ぼっちでこの時代に取り残されたのだと、そう思い、生きている意味などないと思いました。そして、一人どこかでひっそり死んでしまおう、そう思ったのです」
ざわついていた会場内が、一瞬で静寂に包まれた。ヴェルデは今まであった出来事を思い出し、一つ一つをかみしめるようにして目を瞑り、ローラの言葉を聞いている。
「そんな私を、ヴェルデ様は救ってくださいました。私の絶望を受け止め、ただただ泣き崩れる私に、一緒に生きていこうと言ってくださったのです。どうして起こしたのだと、ヴェルデ様に対して言ってはいけないことを言った私に、居場所を作ってくださったのです。そしてこんな私にいつも愛をくださり、どんなことからも守ってくださいました」
ローラは一言一言を大切に、思いを込めて発している。それが伝わるのだろう、ローラを見つめる人々の瞳はいつの間にか慈愛に満ちていた。
「私を狙う人間がいたことは事実です。そしてもしかしたら今後もそんな人間が現れてしまうかもしれない。それはこの国にとって良くないことなのは承知しています。私がいるせいで、皆様にご迷惑をお掛けしてしまうかもしれないことは、本当に申し訳ないことだと思っています。……でも、私は、ヴェルデ様と一緒にこの国で生きていきたいのです。ヴェルデ様がくださった居場所で、ヴェルデ様にいただいた愛を、きちんとお返ししていきたい。私は、ヴェルデ様を心から愛しています。この気持ちに嘘はありません」
ローラの言葉に、会場内の令嬢たちがうっとりとしながらため息を漏らす。令嬢たちは皆、ローラを憧れの眼差しで見つめていた。
「どうか、私がこの国で生きていくことを認めてくださいませんでしょうか」
そう言って、ローラは深々とお辞儀をした。そんなローラに、会場のあちこちから拍手が沸き起こる。
「俺は第一王子としてローラ嬢を歓迎している。どうか皆も、疑う心を無くしてローラ嬢を歓迎してほしい」
ガレスの一声に、会場内の拍手はさらに大きくなる。ガレスは満足そうにローラとヴェルデを見て、二人も嬉しそうに微笑み返した。
「で、ですが!やはり今後も筆頭魔術師殿の奥様を狙う輩が湧き出てくるのは事実なのでしょう。それについてどうするおつもりですか」
貴族の一人が、大きな声を上げた。
「それについては心配ない。そんな奴ら、俺が片っ端から潰す。ローラに指一本触れさせないし、この国で勝手な真似は絶対にさせない。この国の筆頭魔術師の名にかけて誓おう。それで文句はないだろう?他にもまだ何かあるか?」
ヴェルデは異常なほどの殺気を纏いながら、地を這うような声で貴族へ言う。貴族の男はその気迫に青ざめ、腰を抜かした。会場内もヴェルデの気迫に恐れをなしてシーンとなる。ただし令嬢たちだけは、ヴェルデとローラの関係に目を輝かせうっとりとしていた。
「よし、これで何も問題ないだろう。この話はこれで終わりだ。これ以上この話をまた持ち出そうとする人間はこの国の第一王子である俺が許さない。王にもしっかりと伝えておく。覚えておけよ」
「目覚めた時、私は百年も眠り続けていたことを知って絶望しました。私の大切な家族、友人、知っている景色、何もかもがもう無い。私はただ一人ぼっちでこの時代に取り残されたのだと、そう思い、生きている意味などないと思いました。そして、一人どこかでひっそり死んでしまおう、そう思ったのです」
ざわついていた会場内が、一瞬で静寂に包まれた。ヴェルデは今まであった出来事を思い出し、一つ一つをかみしめるようにして目を瞑り、ローラの言葉を聞いている。
「そんな私を、ヴェルデ様は救ってくださいました。私の絶望を受け止め、ただただ泣き崩れる私に、一緒に生きていこうと言ってくださったのです。どうして起こしたのだと、ヴェルデ様に対して言ってはいけないことを言った私に、居場所を作ってくださったのです。そしてこんな私にいつも愛をくださり、どんなことからも守ってくださいました」
ローラは一言一言を大切に、思いを込めて発している。それが伝わるのだろう、ローラを見つめる人々の瞳はいつの間にか慈愛に満ちていた。
「私を狙う人間がいたことは事実です。そしてもしかしたら今後もそんな人間が現れてしまうかもしれない。それはこの国にとって良くないことなのは承知しています。私がいるせいで、皆様にご迷惑をお掛けしてしまうかもしれないことは、本当に申し訳ないことだと思っています。……でも、私は、ヴェルデ様と一緒にこの国で生きていきたいのです。ヴェルデ様がくださった居場所で、ヴェルデ様にいただいた愛を、きちんとお返ししていきたい。私は、ヴェルデ様を心から愛しています。この気持ちに嘘はありません」
ローラの言葉に、会場内の令嬢たちがうっとりとしながらため息を漏らす。令嬢たちは皆、ローラを憧れの眼差しで見つめていた。
「どうか、私がこの国で生きていくことを認めてくださいませんでしょうか」
そう言って、ローラは深々とお辞儀をした。そんなローラに、会場のあちこちから拍手が沸き起こる。
「俺は第一王子としてローラ嬢を歓迎している。どうか皆も、疑う心を無くしてローラ嬢を歓迎してほしい」
ガレスの一声に、会場内の拍手はさらに大きくなる。ガレスは満足そうにローラとヴェルデを見て、二人も嬉しそうに微笑み返した。
「で、ですが!やはり今後も筆頭魔術師殿の奥様を狙う輩が湧き出てくるのは事実なのでしょう。それについてどうするおつもりですか」
貴族の一人が、大きな声を上げた。
「それについては心配ない。そんな奴ら、俺が片っ端から潰す。ローラに指一本触れさせないし、この国で勝手な真似は絶対にさせない。この国の筆頭魔術師の名にかけて誓おう。それで文句はないだろう?他にもまだ何かあるか?」
ヴェルデは異常なほどの殺気を纏いながら、地を這うような声で貴族へ言う。貴族の男はその気迫に青ざめ、腰を抜かした。会場内もヴェルデの気迫に恐れをなしてシーンとなる。ただし令嬢たちだけは、ヴェルデとローラの関係に目を輝かせうっとりとしていた。
「よし、これで何も問題ないだろう。この話はこれで終わりだ。これ以上この話をまた持ち出そうとする人間はこの国の第一王子である俺が許さない。王にもしっかりと伝えておく。覚えておけよ」