眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛
「すごいな、ローラ」
「ローラ嬢が話している間、御令嬢たちはみんなうっとりしていたからな」
フェインとレイナーが苦笑していると、ヴェルデは令嬢に囲まれるローラを見て嬉しそうに微笑んでいる。
「なんだか嬉しそうだな、ヴェルデ」
「ローラにこの時代の御令嬢の友達ができるのはいいことだよ。ローラの世界が広がる」
「へえ、俺はてっきり御令嬢たちにもやきもちを焼くのかと思ってたけど」
フェインの揶揄いにヴェルデはムッとする。だが、すぐに顎に手を添えて考え込み出した。
「確かに、ローラと一緒の時間が御令嬢たちに奪われてしまうのは少し困るな……」
ブツブツと独り言をいうヴェルデを見て、フェインとレイナーはまた苦笑した。
「ヴェルデ様」
令嬢たちからようやく解放されたローラが、ヴェルデの方へ笑顔でやってくる。それを見てヴェルデは心底嬉しそうに微笑んだ。
「もう大丈夫なのか?」
「はい、皆さんとても良い人たちばかりで。今度お茶会に誘われました」
嬉しそうに微笑むローラを見て、ヴェルデはつられて嬉しそうに微笑んだ。甘すぎて胸焼けしそうだな、とフェインが苦笑していると、視界に入ってきた人物を見て渋い顔になる。
「ヴェルデ、ローラ様」
「……ノエル」
「さっきの二人、本当にすごく素敵だったわ。心から愛し合っているのね。これじゃ私の付け入る隙はやっぱりどこにもないみたい」
そう言って、ノエルはローラに視線を向けた。
「私、あなたが隣国から来た眠り姫という噂を聞いていたの。ヴェルデはあなたを目覚めさせてしまった責任を感じてきっと結婚したんだと思い込んでいたんだけど……違ったみたいね。あなたは本当にヴェルデから愛されてる。昔の私とは大違い。私と一緒にいた頃は、私に対して全く何の反応も示さなかったもの」
「ノエル」
「さっきは当てつけみたいにあなたからヴェルデを引き離してごめんなさい。でも、ヴェルデにも昔から私への想いは一ミリもないってきっぱり言われたわ。だから、私のことは気にしないでね。お幸せに」
そう言ってにっこり微笑むと、ヴェルデを見ずにノエルはその場から立ち去った。
「ローラ嬢が話している間、御令嬢たちはみんなうっとりしていたからな」
フェインとレイナーが苦笑していると、ヴェルデは令嬢に囲まれるローラを見て嬉しそうに微笑んでいる。
「なんだか嬉しそうだな、ヴェルデ」
「ローラにこの時代の御令嬢の友達ができるのはいいことだよ。ローラの世界が広がる」
「へえ、俺はてっきり御令嬢たちにもやきもちを焼くのかと思ってたけど」
フェインの揶揄いにヴェルデはムッとする。だが、すぐに顎に手を添えて考え込み出した。
「確かに、ローラと一緒の時間が御令嬢たちに奪われてしまうのは少し困るな……」
ブツブツと独り言をいうヴェルデを見て、フェインとレイナーはまた苦笑した。
「ヴェルデ様」
令嬢たちからようやく解放されたローラが、ヴェルデの方へ笑顔でやってくる。それを見てヴェルデは心底嬉しそうに微笑んだ。
「もう大丈夫なのか?」
「はい、皆さんとても良い人たちばかりで。今度お茶会に誘われました」
嬉しそうに微笑むローラを見て、ヴェルデはつられて嬉しそうに微笑んだ。甘すぎて胸焼けしそうだな、とフェインが苦笑していると、視界に入ってきた人物を見て渋い顔になる。
「ヴェルデ、ローラ様」
「……ノエル」
「さっきの二人、本当にすごく素敵だったわ。心から愛し合っているのね。これじゃ私の付け入る隙はやっぱりどこにもないみたい」
そう言って、ノエルはローラに視線を向けた。
「私、あなたが隣国から来た眠り姫という噂を聞いていたの。ヴェルデはあなたを目覚めさせてしまった責任を感じてきっと結婚したんだと思い込んでいたんだけど……違ったみたいね。あなたは本当にヴェルデから愛されてる。昔の私とは大違い。私と一緒にいた頃は、私に対して全く何の反応も示さなかったもの」
「ノエル」
「さっきは当てつけみたいにあなたからヴェルデを引き離してごめんなさい。でも、ヴェルデにも昔から私への想いは一ミリもないってきっぱり言われたわ。だから、私のことは気にしないでね。お幸せに」
そう言ってにっこり微笑むと、ヴェルデを見ずにノエルはその場から立ち去った。