The previous night of the world revolution
食事の後。

「はい、薬」

「…」

食後にセットのようについてくる錠剤の群れに、ルシファーは嫌悪感を露にした。

…確かに、毎日これを見てたらうんざりもするよな。

精神科の薬って、何でこんなに多いんだ?

とはいえ飲めと言われて処方されているのだから、飲まない訳にもいかない。

飲みたくない気持ちは理解出来るが、ここは心を鬼にして。

「文句言わず飲め」

「…こんなの、飲んでも…」

抵抗しよるな。

こんなの飲んでも何も変わらないってか。

確かに一理ある。彼が入院するようになって半年たち、その間彼はずっと服薬を続けているが、一向に良くなっているようには見えない。

本当にこれ効いてるのか?と思わなくもない。

けれど、精神科の薬は効くのが遅いと言うし。

「飲んでも治らないかもしれないが、飲まなきゃ絶対治らないからな」

「…」

絶対治らない、とは言い切れない。俺は医者ではないのだから。

でもそうとでも言っておかないと、飲まないからな。こいつ。

そう言ってもなお、今日は頑なであった。薬飲みたくないなんて、お前は小学生か。

まぁ、気持ちは分かる。

仕方がないので、俺は魔法のアイテムを出すことにした。

部屋の隅にある冷蔵庫から、幼児向けの服薬ゼリーを持ってきた。

困ったときはこれだ、これ。ゼリー風にして一気に飲んでしまえ。

大人用のゼリーでも良いのだが、こいつの口は基本的にアリューシャと同じで甘党だから、幼児向けの方が良いのだ。

ゼリーに包まれた錠剤を、俺はスプーンで半ば無理矢理ルシファーの口に突っ込んだ。

「無理矢理は虐待だぜルル公」

「うるせぇ。虐待されたくなかったら自分で飲め」

口に突っ込まれると飲まないと仕方ないのか、しばらく沈黙した後、しかめっ面で飲み込んだ。よし。それで良い。

病院のスタッフも、彼にちゃんと薬を飲ませるのは難しいと言っていたが、その通りだ。

それでもこのゼリーを使えば比較的よく飲んでくれるので、これを考えた人は天才だと思う。本当に。
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