うみに溺れる。
どんどん降り積っていく、醜い感情。
ドロドロとしていて気持ち悪い。
『海ってさ、好きな奴いんのかな』
空人のサッカーの試合での事だった。
海は空人の先輩と何か話していて少し離れた所にいる。
渡したタオルで汗を吹きながら水分補給する空人に言葉が詰まった。
『…さぁ?どうだろう。僕達今までそういう話全くした事がなかったよね』
『確かに』
…海が僕以外と?ありえない。
そんなの嫌に決まっている。
小さい頃からずっと一緒に居た海に対するその気持ちを空人は恋愛感情だと気付いていないようだった。
好都合だ。