うみに溺れる。


ゴブゴブっと空気が海面を目掛けて上がっていく音がした。



あぁ、苦しい。

息ができない。



本能的に酸素を求めて海面に手を伸ばしてしまう。

僕が居なくなって、海が泣くその泣き顔を思い浮かべて嬉しくなった。



そんなに泣かないで。

可愛い顔が台無しだよ。



きっと空人は罪悪感で僕の頼みを聞いてくれるだろう。

小さい頃からずっと一緒にいたんだ。
ずっと近くで見てきた。
2人の事ならなんでも知っている。

僕と同じように、僕が2人にとってどんな存在だったのかも。


それは幻覚だと分かっていても、もう会える事のない2人の姿に僕は無意識に手を伸ばした。

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