うみに溺れる。


あの時と比べれば今の海は最初に出会った時と近い。
海なりに乗り越えようとして、残ったもの同士大切に思いあってるのが分かる。


「京都って言えばやっぱり抹茶でしょ?それに八つ橋も外せないよね!」

「食べ物の事しか考えてないの?」

「まさかぁ!清水寺も楽しみだよ!」


と言って調べて来たであろうスマホの履歴には、

《京都グルメ》
《京都 観光グルメ》
《京都 スイーツ》

などで埋まっていた。
なんというか柳楽達が海に過保護になる理由がなんとなく分かる。


「体重、気にしなよ?」

「うるさ!」


悔しい事に、私は多分海の中で柳楽以上の存在にはなれないだろう。
今まで築いてきた歴史が違うから。


「朱莉と色々回るのめちゃくちゃ楽しみなんだけど」


私が何を言うでもなく、海はこういう事をサラッと言う。


「私も」


< 74 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop