うみに溺れる。


お風呂から上がり非常階段の所にある自販機で飲み物を買いに行った時だった。



「「あ」」



ジャージ姿で髪が濡れた空人が居た。
恐らく空人もお風呂上がりなんだろう。

私を見た空人は気まずそうに、「悪い」と言ってその場からそそくさと立ち去ろうとした。


「っ、空人待って!待ってってばっ、」

「…なんだよ」


コーラを持った右腕を咄嗟に掴んで止めた。


「なんで私の事避けるの」

「……」

「俺のせいだって何?どういう意味なの?」

「そのまんまの意味だけど」

「分かんないから!全然分かんない!!」


空人の右腕を掴んでいた私の手をやんわりと払って、冷たい目で私を見た。


「雫玖が死んだのは俺のせい。それだけ。もう俺と話したくねぇだろ、じゃあな」

「っ、ちょっ、」


私が空人に近付こうとすればする程、拗れていっているような気がする。
しっかり向かい合って話したいけど、避けられている今どうすればいいのか分からない。


空人と喧嘩した時、仲直りの先手を打ってくれたのはいつも雫玖だった。

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