うみに溺れる。
Ⅲ
うみ
「ついに明日ね」
「明日か…」
いつもよりも豪華な食卓に並ぶ料理たちは全て私の大好物だった。
お母さんもお父さんもしんみりとした顔で、ご飯を貪る私を見ている。
「ゴールデンウィークには帰るってば」
「遠い…」
「すぐじゃん」
随分と前に貰ったという焼酎を開けて、お父さんはしくしくと飲んでいる。
「まぁでも、空人くんも一緒ならちょっとは安心ね」
「…お父さんはまだ認めてないからな」
「ちょっと。いい加減にしなさいよ、お父さん!」
「ふんっ」
…いやいや、ふん、て。
いい歳したおじさんが気持ち悪いな。
なんて事を心の中で思いながら唐揚げに手を伸ばした。