女嫌いな年下のおとこのこ



「ありがとう飛鳥くん、私だけじゃ連れて帰るの骨が折れたから」
「いえ、大丈夫です」
「今日は疲れたよね。明日には帰国するし今日は休もうか」
「あ…白河さん、少しだけいいですか」
「ん、なに?」


部屋に戻ろうとしたところを引き止められ、飛鳥の顔を見る。


「今回の出張、連れてきてくれてありがとうございました。すごく勉強になりました」
「ああそんな事。こちらこそ沢山手伝ってもらえて助かったよ」
「…俺、白河さんの役に立てましたか?」
「?そりゃあ勿論」


頼りにしてるよと言うと、少しだけ飛鳥の頬が赤らんだ気がした。

思いの外酔っているのかなと思ったが、顔色はあまり変わらないと言っていた事を思い出し首を傾げる。


「あとその…先程課長が話していた事なんですが」
「課長が…ってパートナーがどうこうって話?」


意外にも話に乗っていたから印象に残っている。

何か思うところがあるのだろうか。


「白河さんはどう思いますか。パートナーが頻繁に残業だったり接待だったりしたら」
「ん〜…私自身が人のこととやかく言えないからなあ。その点では理解がある方だとは思うよ」


< 103 / 195 >

この作品をシェア

pagetop