女嫌いな年下のおとこのこ
居るなら居るで良かった。
瑞希が幸せでいてくれるなら、後を濁さず海外へ赴任できると思ったから。
「居るけど、ほぼ脈なし」
「えっ!瑞希くんが!?」
なんとなく聞いてみただけだというのに意中の人物が居たという事実と脈がないという事実のどちらにも驚いて思わず声を上げれば、案の定「煩え」と返ってきた。
「こっちが散々尽くしてアピっとんのにアホ過ぎて欠片も気付きやしねえ。他に好きな奴いんだと」
「それは…辛いね」
「別に」
ズズッとアイスティーを飲み干し、悪どい笑顔を見せながら続ける。
「そいつが失恋した頃見計らって、その隙に漬け込んで落としゃ問題ねえ」
「わあ…そのバイタリティ見習いたいよ」
「お前にそんな器用な真似できるわけねぇだろ」
そう吐き捨てると瑞希はテーブルにアイスティーを置き、そのまま手をついておもむろに立ち上がった。
「そっちも飲み終わったならそろそろ出るぞ」
「あ、うん」
会計を終え、先を歩く瑞希の背中を見ながら先程の言葉を思い返す。