女嫌いな年下のおとこのこ
本当は今日、海外赴任の事を伝えようかとも思っていた。
伝えたからといって何が変わるわけではないけれど、瑞希が新しい恋を始めていると知り、それなら彼がその意中の相手と上手くいくのを見届けてから伝えようと考えを変えた。
彼のことだ、きっと近いうちにその相手と関係を進めていい関係になるだろうから。
それまではもう少し、瑞希と一緒の時間を過ごしたかった。
その後は駅まで一緒に歩き、家が反対方向という事もあってその場で解散する流れになった。
「じゃあ悪いけど来週頼むわ」
「うん。また会う場所だけ教えてね」
「了解」
そうしてまたねと告げ、各々の電車のホームへ体を向けた。
失恋が決まり、辛くないと言えば嘘になる。
けれどずっと傷ついてきた大事な幼馴染が幸せになってくれるならそれでいい。
そうすればきっと、この想いも昇華できるから。
そんな事を考えながら、自身の背中をジッと見つめる瑞希の視線にも気付くことなく、聖は歩いていった。