女嫌いな年下のおとこのこ



「お前明日うち来いよ」
「あ、うん。完治までもう少しだね。本当に良かったよ」
「まーな。これで薬漬け生活ともおさらばだ」
「副作用辛そうだったもんね」
「仕事中に眠くなんのは普通に困る」


何気ない会話は続き、店に到着して先に入店させてもらい数十分ほど経った頃に瑞希の母が到着した。


「聖ちゃん!久しぶりね〜まあまあ綺麗になって!」
「こんばんは。ご無沙汰してます」
「遅れてきといて詫びも無しに騒ぐな。早よ座れ」
「仕方ないでしょ、相変わらずホント可愛げのない息子ねぇ」


瑞希とよく似た顔立ちの母だがその性格はまるで正反対で、常に笑顔の明るい人だった。

それは今も変わらないようで相変わらず元気で溌剌としており、その後も時間いっぱい喋り倒し、聖はほぼ相打ちをしただけで颯爽と帰っていった。

因みに瑞希は話の殆どを無視しており始終スンとした表情で食事を続けていた。

帰り際に昔と変わらず「瑞希をよろしくね」と言われた時は苦笑いしか返すことが出来なかったが、当然彼女も瑞希の性の対象についてよく知っているはずなので、そこに深い意味は無いのだろう。

そうは思っていても、いずれ瑞希の元から離れる身としては素直に頷くことは出来なかった。



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