【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
「うん」
カディオが嬉しそうな顔で、抱き締める。
二人の髪が交わって、耳元でくしゃりと音を立てた。さっきよりも深く密着し合っているようにシェスティには感じた。
「あっ、私、座ったままだわ」
「そのままでいい」
「でも――」
「実を言うと、俺のほうがまだ慣れない」
「え?」
シェスティは彼のほうを見ようとしたが、抱き締められているせいで顔が見えない。
「立った状態でシェスティをこの腕の中に閉じ込めてしまったら、自分の部屋に連れ帰ってしまうかもしれない」
それは――危険だ。
彼は揺らされない人だと思っていたが、獣人族の中でも、思った以上に我慢が難しいようだ。
「早く、結婚したいな」
「そ、そうね」
そうしないとまずいことになるかもしれない。そんな予感に、シェスティは心配になる。
けれどすぐ、彼女の口元は緩んだ。
どう考えても、なんとも幸せな結婚になりそうだという素敵な予感がしたから。
「そろそろ皆のところに行きましょう。デリアード公たちにも、ご挨拶しないと」
「もう少しこうしていたい」
「だめよ。王子としても必要な社交相手よ」
「嫌だ」
カディオが嬉しそうな顔で、抱き締める。
二人の髪が交わって、耳元でくしゃりと音を立てた。さっきよりも深く密着し合っているようにシェスティには感じた。
「あっ、私、座ったままだわ」
「そのままでいい」
「でも――」
「実を言うと、俺のほうがまだ慣れない」
「え?」
シェスティは彼のほうを見ようとしたが、抱き締められているせいで顔が見えない。
「立った状態でシェスティをこの腕の中に閉じ込めてしまったら、自分の部屋に連れ帰ってしまうかもしれない」
それは――危険だ。
彼は揺らされない人だと思っていたが、獣人族の中でも、思った以上に我慢が難しいようだ。
「早く、結婚したいな」
「そ、そうね」
そうしないとまずいことになるかもしれない。そんな予感に、シェスティは心配になる。
けれどすぐ、彼女の口元は緩んだ。
どう考えても、なんとも幸せな結婚になりそうだという素敵な予感がしたから。
「そろそろ皆のところに行きましょう。デリアード公たちにも、ご挨拶しないと」
「もう少しこうしていたい」
「だめよ。王子としても必要な社交相手よ」
「嫌だ」